山下清 ☆その1

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こんにちは、noruです。

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ほぉぉ、青空。
今日は、いい天気です。
近くの白モクレンが満開。

これは、疎水の桜も
満開になってるかも‥…。

ぷぷぷ‥…、楽しみ〜 ♪

‥…。

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さて、ずっと気になっていたアンリ・ルソーのズレた感。
なんだかこの人。西洋絵画の大きな流れとは別のトコロにいるみたい。
同世代の画家の人たちより彼のことを思い出しました。

去年の秋。熊本旅行で行った
「山下清展」

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あまりに有名な彼の作品。
生で観るのは初めてでした。

作品は時系列で、
エピソードと共に
並べなられています。

ドラマや日記。
芦屋雁之助さん、おにぎり。

うーむ。邪念を振り払いつつ‥…。

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色の重なりが圧倒的な初期の作品。
時は戦前から戦中。時勢がら色紙だけではなく、
新聞紙を使ったりもしています。

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細密で色彩豊か。
ちぎり絵の制作は
学園でしていたそうです。

彼は様々な理由で、
学園から逃亡するのですが、

旅先でスケッチするということは
一切なくすべて記憶を頼りに制作。

不思議なことに、
その風景は正確なんだそうです。

逃亡生活は食べるだけで、いっぱいいっぱい。お弁当屋さんとか簡単な手伝いでも、
住み込みで雇ってもらうのは大変です。‥…絵なんか描いてる場合じゃない。

‥…。

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そんな中ついに、確保 。
彼は逃亡先の九州で捕まり、誓約書を書かされます。

「 自分が放浪すると、
  世間に迷惑がかかるので、
  もう逃げません。」

‥…。

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本人は、ただ逃げていただけ。
でも作品が有名になり、
彼も大人になり、

日本も戦後のドサクサから落ち着きはじめていました。

‥…。

潮時。彼の放浪は、
終止符が打たれたのです。

‥…。

「先生」と呼ばれる人物の登場です。
彼の旅には先生が同行。
彼は天才画伯になりました。

パフォーマンス。旅先でスケッチするようになります。世間に認められ、
食べものにも困らなくなり、作品は
少しずつ変わっていきました。

‥…。

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ぽわぽわ、ぽわわわ〜ん。

‥…と、
テレビのイメージを重ね勝手にせつなく思っていたのですが、
「 生=なま、清 」どうやらそう単純でもないらしい。

というわけで、
彼の日記を読むことにしました。

事実は、
小説より奇なり、なノダ。

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コロ、コロ、コロ‥…。

ちょっと、休憩☆

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こんにちは、noruです。

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あれっ、雨。
朝は、晴れ間もでてたのに‥…。

カゾクのヒトが、
また、お仕事へ行ってしまいました。

‥…。

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疎水の桜が、五分咲きです。
昨日までは、三分咲きくらい。たった1日でたくさん咲きました。

‥…もう、春なのです。

今日は先勝。お日柄がいいせいか、お宮参りに結婚式。
春はいろいろとお祝い事がありますね。

‥…。

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退屈です。

‥…最近は、お出かけばっかり。

この間、
もうおしまいって言ったのに‥…。

シーン。

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‥…。

もおぉぉぉぉぉ‥…。

八つ当たりじゃ !!

がぶぅぅぅぅぅぅ‥‥。

「 あぁっ、ノルくん !!! 」

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‥…。

えい、えいっ、

‥…むきゃーっ !!!!

「 ノルくん、
  ‥…落ち着いて。」

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シーン。

あつ、‥…また、足が取れた。

‥…タコさん。

‥…。

ぷんっ。

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あっ、お日さま。雨が上がりました。
少し明るくなってきました。こうしてひと雨ごとに、暖かく。
少しずつ、季節は巡ってゆくのですね。

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‥…。

‥…疲れた‥…ちょっと、休憩。

うと、うと。zzzz‥…。

ごめんね、のっちゃん。
帰ったら、ゆっくり遊ぼうか。

‥…。
あのね、
タコさんの足、直してね、なノダ。

アンリ・ルソー☆その3

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こんにちは、noruです。

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アンリ・ルソー
Henri Julien Félix Rousseau
1844 – 1910

フランスの素朴派の画家。
活動期間は短く、おおよそ25年余り。

40歳の頃、突然、趣味で
絵を描き始めます‥…と、思っていたら、

あっけなく本業を辞め、
自称、画家となってしまいました。

年金暮らし。足りない分はバイオリン教師などのアルバイト。
でも、稼いだお金はすべて、絵の具やキャンパス代につぎ込んでしまいます。
服を脱ぐ間も、寝る間も惜しい。絵を描くことに没頭していくのでした。

‥…。

アンデパンダン展( salon des artistes indépendants )
彼のデビュー作。最初期の作品です。

カーニバルの晩 (Un soir de carnival) 1886年

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そしてこちらは、亡くなる年。
最晩年の作品。

大豹に襲われる黒人

(Un nègre attaqué un léopard) 1910年頃

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不思議な絵。
他の画家とは、ちょっと違います。

技術の上達はありますが、絵から受ける印象、
最初と最後。25年経っても、あんまり、変わらない。

絵が自己表現であるなら、変化は切っても切りはなせないもの。
画家自身の興味が変われば、テーマも変わり、自ずと作風も変わっていきます。
深みも出れば、歪みもでる。

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そして、変化の共有。
良くも悪くも変化は、ファンにとって、
「はまり込む」要因のひとつ。

‥…。

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しかし、彼は変わりません。

貧しさとか、世間の酷評といった
「現実」と「彼の作品」は、一切、リンクしていないのです。

彼の作品。好き嫌いが本能的に別れるのも、
心を囚われた人たちが尋常じゃない、虜にされるのも、
「 絵画 」というカテゴリーを超えた

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「 彼の世界 」を感じるから。

‥…。

Guillaume Apollinaire
ギヨーム・アポリネール
詩人、美術批評家。

ピカソとともに、数少ないルソーの理解者の一人。
シュールレアリズムという言葉を生みだしました。
彼がルソーの「夢」に捧げた詩。

「 いとも安らかな眠りへ誘われ、
  ヤドヴィガは甘美な夢の中。
  蛇使いの吹く笛の音。瞑想を深く胸に吸い込む。
  緑燃える木々の波。月影がきらめき、蛇たちは陽気な調べに耳を傾ける。」

2つの作品。彼の世界への道先案内人、
そして彼の世界そのもの。

蛇使いの女 (La Charmeuse de serpents) 1907年

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夢 (Le rêve) 1910年

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ルソーは言います。

「 ソファーの上で眠る女は、森の中に運ばれ、
  蛇使いの笛の音を聴く。彼女は夢を見ているのだ。」

これは、トリップ。
自分の中の「 何か 」と彼の世界が響き合う時。
絵を見ているはずの私たち、いつしか彼の世界の住人。「 不思議な夢 」を見ているのかも。

いざ、いかん。夢の中へ

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‥…ココはドコ、
‥…私は誰‥…なんつって。

‥…。

また、‥…てか、寝てばっかり。

こら、
いい加減、起きろ、なノダ。

ほわ、ほわ‥…ほわわわ〜ん。

アンリ・ルソー☆その2

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こんにちは、noruです。

へんてこりんなルソーの絵。
それにしたって、そんなに笑わなくてもいいのに。

どうやら当時の西洋美術には
明確な美の定義が存在したようです。

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アカデミック美術。
芸術は、高尚かつ哲学的な学問

職人の手仕事とは分離され、
理論やデッサン、教育や
地道な訓練の上に築れるものでした。

そうして生まれた「アートのプロ」

彼らの作品は国家が買い上げ
記念建造物の壁を飾っていました。

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絵画には
「 idée 」がなければならない。

理念とも訳されるこの言葉。
様式が重んじられ、題材には序列がありました。
寓話や宗教を描く歴史画は、その頂点、静物画や風景画は格下に見なされていました。

19世紀。
その思想に反発した印象派の画家。
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「 目に見えるものを、
  自分が感じたように、描く。」

クロード・モネやルノワール。

彼らもかつては、美術教育を受け、
アカデミックなアトリエにいた人々でした。
議論を戦わせます。

そもそも「 美 」とは、
いったい何なんでしょう。

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‥…。

何かのキッカケで「美しい」はずのものが突然「醜い」と思えたり、
それまで「醜い」と感じていたものに「美」を見出したり。

美的感覚の急激な変化。
時代の流れの中で幾度となく繰り返されたのです。

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今では、超お宝。
ポスト印象派のゴッホ。

当時の人々がゴッホの絵を
買わなかったのは、先見の明がなかったワケ
ではなく、単純に

「 ‥…イケてないやろ。」

買うどころか、
薪にされたり、散々です。

彼らにとって、
ゴッホは「 絵を描く変人 」
作品は「 超いかれた絵 」なのです。

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時代は19世紀から20世紀へ
モダンアートの登場です。

経済の発展に伴い、新しい美の基準は一般化、大衆化します。
美術界の権威、美術界に君臨していたアカデミック絵画。

古くさいとか、ウソくさいとか。
またまた散々言われて、忘れ去られていきます。

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その間、わずか数十年。
ボロかす言われ不遇な生涯を終えた
画家の絵は、人類の宝となってしまいました。

奇跡のようですが、
なんてことない、
「 美の基準 」が変わっただけ。

人の心は、時に残酷で、
無責任なものですね。

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今や時代は変わりつつありました。
とはいっても相変わらずのルソー。
同じようにへんてこりんなピカソ。こちらは大ウケなのに。

やっぱり世間とはズレているのか。
いったい彼の「何に」惹きつけられてしまうのでしょう。

‥…。

ズレている‥…。
それが、問題だ、なノダ。

「 ‥…。」

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アンリ・ルソー☆その1

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こんにちは、noruです。

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それ、何ですか。

‥…なんだ、
コロコロころがるあの草か‥…。

「 この、独特の苦味が
  美味しいんだよねー。」

「 ‥…いい加減にしないと、
  また、湿疹出るよ。」

‥…。

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「 えぐ味、渋味、苦味 」

アクは本来、不快で不要とされるもの。しかし無ければないで、無味乾燥。
大事な「 味わい 」個性です。では、そのさじ加減はどうなのでしょう。

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ほんの少しでも、鼻につく人もいれば、
そこが、たまらん、がっぷり四つに組む人も。

アンリ・ルソー
Henri Julien Félix Rousseau

時は19世紀末。
ルソーは「アンデパンダン展」に作品を出品します。

「アンデパンダン展」とは
会費さえ払えば、誰でも出展できる展覧会。

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「 稚拙でこっけい、
  まるで、子供の落書きだ。」

「 目隠しして、
  足で描いているんじゃないか。」

パリジャンたちは、彼の絵を見て笑い転げました。

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彼の作品には、いつも
人だかりができ、嘲笑が渦巻いていました。

ついには笑いがとまらず、
腹をかかえて逃げ出すものさえいたのだとか。

‥…。

戦争 (La guerre) 1894年

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眠れるジプシー女 (La Bohémienne endormie) 1897年

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展覧会の度に人々は「ルソーの作品」に押しかけたそうです。
優越感、悪趣味、嘲笑‥…。果たして、それだけだったのでしょうか。

もっと、もっと、見たい。
彼の作品を、見ずにはいられない。

そう思った人もいたのではないでしょうか。
その気持ちは誰にも止められない。これは、自分をめぐる冒険。

ドコで引き返すかは、人、それぞれ。

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‥…。

ドウにも
‥…止まらない、なノダ。

鬼が出るか、
蛇が出るか‥…えっ、湿疹。