こんにちは、noruです。
ネオダダの篠原有司男さんと
奥さんの乃り子さん
二人のドキュメンタリー映画のはずが、監督もビックリ。
気がつけば乃り子さんの半生記。「夢千代日記」ならぬ「乃り子日記」
「キューティ&ボクサー」
なぜ、鑑賞がしんどいのか。
ポップな映像や美しい音楽。
微笑ましいエピソードを撮ろうとすればするほど、
家族のちぐはぐな表情。
乃り子さんの目に映るあきらめの色。
プライベートの過剰な暴露。
家族問題やお金の問題、洗いざらいです。
おウチの荒み方。ハンパありません。
もう、アーティストとか、
貧しさとかを超えた、
すこし、
病的なものを感じてしまいます。
乃り子さんから漂う孤独とか、怒りとか、不完全燃焼さは反抗期の子供とか、
倦怠期に気づき始めた夫婦とか‥…年齢のわりには、
しんどいトコロの人のようです。
‥…。
地雷をいっぱい持ってそうな乃り子さん、
有司男さんに終止辛口コメント。でも以前は言えなかったみたいです。
‥…そもそも彼女はなんで19歳でアメリカに渡り、
41歳の妻子持ちのおっさんと不倫してしまったのでしょうか。
映画にいたるまで。
彼女が語る自身の前半生。インタビューより、
名付けて
「 Cutie & The boxer Begins 」
‥…。
富山県の高岡市出身。
大学進学は1970年代のかかり。
閉塞感と外国への憧れ、
自由という言葉の魔力。
とどめの東京オリンピック。
日本は自信と不安のはざまでした。
当時の憧れは「自由」。
将来設計もその柱は自由。何になろうかな。
演劇や建築は観客やスポンサーが必要。状況に縛られる気がする。
絵の道なら自由に描いて生きていけるんじゃないかな。
‥…。
しかし70年安保のしわ寄せか。東京藝大の油科の倍率。日本で一番高い 48倍。
受験会場は浪人を重ね、人生を悟ったようなおじさん、おばさん。
なんかイメージ違いました。
そんな時、ついに1ドル365円が280円に。
ここは、やっぱり
日本の大学より
アメリカのポップ・アートちゃう。
いざアメリカの学校へ、いっちゃう ?
しかし、行ってみたらば、
おじいさん、おばあさん、リタイアした人、リッチなマダム
こちらもカルチャーセンター状態。
なんじゃ、こりゃ。
ここもは早く、逃げ出さなくては。
あせるわ。がっかりするわ。アメリカが色褪せて見えたそんな時、
出会ってしまったのが、篠原有司男さんでした。
初めは、彼が超有名人であること
知らなかったそうです。
そこへ持ってきて有司男さんのキャラ。
中味はともかく、押しが強い。
そのギャップが余計と、
この人すごい。
「 SOHOで一番オシャレなバーに
連れてったる。」
「 ステキ。」
‥…。
( ‥…早い話がのぼせてしまった‥…。)
しかし、有司男さん。したたかなリアル貧乏ニューヨーカー。
乃り子さんが当時は珍しかった、自費渡米組と知るや、
もう金づるじゃ。
1カ月も、たたないうちに
「 お金、貸して。」
ここでもまた、勘違い。
どえらい立派な人なのに、ピュアな人‥…。
( ‥…あの、意味がわかりません。
ココこそ、逃げるところでは。)
‥…。
本当はあの段ボールアートも反骨精神というより、お金がないから発見した方法
絵具なんてお金がないから持ってない。その頃は絵なんか描いてなかったし。
‥…。
( ‥…乃り子さんがそう言ってるんです。念のため。)
そんな時子供ができてしまいます。
有司男さんは既婚者。
日本に奥さんとお子さん二人。
奥さんの実家で暮らしています。
初めは後戻りできない恐怖。でも、次第に嫉妬。
有司男さん、ときどき日本の子供の写真を見ていたそうです。
奥さんの実家。芝生やブランコ、そこで遊ぶ子供たち。
「 なんで、その子たちは日の当たるトコロで
私の子供は日陰なのよ。」
‥…。
( ‥…あっ、その発想、危険かも。ちょっとズレ始めました。)
有司男さんはどっちつかず。自分じゃ言えない。むしろ怯えてる。
突然、何も知らない奥さんが子供を連れてアメリカのスタジオに来たら‥…。
「 どこに、逃げたらいいんだ。
どこに、乃り子を隠したらいいんだ。」
どうする。‥…おれ。
実は有司男さん、乃り子さんに
奥さんの手紙を読んで聞かせるような人。
乃りこさん曰く
「 一人じゃ怖いから、
誰かを巻き込みたいのよ。」
‥…。
子供が生まれて2カ月目。案の定、あっちもこっちもばれました。
実家からは
「 不倫のあげくに未婚の母とはなさけない。
子供を置いて帰って来なさい。」
でも、それはいや。
絶縁状態。当然、仕送りはストップ。
貧乏のどん底。
‥…と、わずか渡米2年目にして
このありさま。
でもココまでは若気のイタリ。
本当の苦労はココからなのでした。
‥…。
人生、苦もありゃ‥…楽は、あるのですか。
今のところ、恋は盲目。
Run away 〜 ♪、なノダ。
怒られますよ。