こんにちは、noruです。
冷え込む朝。
でも少し、日ざしは以前と違います。
お父さんが出発。
ボクはお見送りです。
‥…お仕事、お仕事。
‥…。
「 東方三賢人の日 」
ホテルのフロント。年配の男性が言いました。
「 今日はイタリア人にとって大事な日、カトリックのお祭でしょ。
いつもとは違うんだ。だから電車も少ないんだよ。」
カトリックの人々にとって労働は神様から与えられた「罰」
というわけではないでしょうが「お祭の日は休みたい」人情です。
とにかく早く行け。
言われるままに30分前に駅に到着しました。
‥…あれっ、ないやん。ホームEST1は1番線ではありませんでした。
1番線の東の奥。京都駅なら山陰線。その3倍くらいを歩いて、歩いて‥…まだ〜 !?
ぽそっ。ここか。
乗客はほとんどが観光客のようです。
中には大きな荷物を持った人も。
電車の姿はありません。
ここは始発じゃないのかな。
時間です。シーン。
‥…。
電車は来ないこともある。
‥…。
15分遅れ
電車はホームに入ってきました。
窓にはこんな張り紙が。
「 窓を開けるな。モノを投げるな。」‥…ドウいうことかな。
みんな乗りました。
しかし電車はホームから動きません‥… ???
待つコトまたまた15分。
ようやく電車は走りだしました。
‥…。
切符から始まった一連の出来事。
よくわからないことの数珠つなぎ。
早起きの眠さも手伝って
すっかり毒気を抜かれてます。
まぁ、いいか。
行き先はのどかな田舎。のんびりしましょう。
‥…。
走ること2時間。
くもった窓から見える景色は、
美しい田園風景に変わってゆきました。
アッシジの駅です。
街までは直通バスとタクシーがあります。
直通のバスに乗らず、
田園風景の中を歩こうと思います。
とりあえず最初の教会までタクシーです。
乗り場にはピカピカの黒のベンツ。
目が合うと運転手さんが降りてきました。
ちょっと小太り。
いわゆるイタリアのおじさん風です。
ドアを開けて、ニコニコ‥…。
‥…。
愛想のいい運転手さん。
‥…こっちに来て初めて見ました。
ローマのタクシー。
車はこぺこぺ。ドアも自分で開けます。
営業スマイル見たことありません。
でものんびりとした美しい景色。田舎は違うのかもしれません。まぁ、いいか。
地図を見せ行き先を確認、走り出しました。
‥…あれ、メーターたおしてないやん。ちょっとちょっと ?
おじさん振り返りながらまたまたニコニコ。
「 心配ない、ない。」
えっ、何言ってんのおっさん。
心配ないことないやん。
‥…。
「 今から行く教会は街から遠いよ。」
‥…いいんです。街まで歩いていくから。
「 いや、全部ボクが連れて行くから。大丈夫。」
‥…違うの、歩きたいんです。
「 気にしない。気にしない。
ひと休み、ひと休み。」
‥…。
アジアのタクシーでよくあるこの会話。
「 案内するから一日雇っておじさん 」これはそのヨーロッパ版じゃないですか。
双方笑顔の押し問答。
アジアの人は腰低くてしつこい感じ。
でもこちらは押しが強くて、
全然、人の話、聞く気ありません。
負けそうじゃ。
教会に着きました。
‥…じゃあここで、いくらですか。
「 今はもらわない。
お金は最後にもらうから。」
当然のように笑顔で言い切ります。
ぷちっ。
‥…ここまでで結構です !!
大人しいと思って。日本人、ナメンなよ。(心の声)
‥…。
教会までのタクシー代。相場は10ユーロ。
20ユーロ握らせ、逃げるように教会へ‥…これでもう、かんべんしてくれ。
ふと見ると、
のどかな田園風景の中。
ハイテク素材ピカピカのランナー。
タっタっタっ‥…。
‥…なんか、ちがう。
「 おや、いらっしゃ〜い。」
‥…。
やっぱり、違う、なノダ。