こんにちは、noruです。
アレっ、ドコ行くの。
‥…ちょっと、ソコまで‥…。
映画鑑賞。
水曜日はレディースデー。
女性は、1000円で〜す。
イヒヒ。
「大統領の料理人」
大統領曰く、
「 コドモの頃に食べた味。
オフクロの味だ。」
実話をモトに作られています。
主人公の女性。
大統領官邸をやめた後、
南極観測基地で働いていました。
この映画、シェフのサクセスストーリーではないみたい。
大統領のプライベートシェフ。
オフクロの味、云々は、
彼女の料理のスタイル、
彼女の生き方を表現する素材に
すぎませんでした。
生き方といえば、彼女のまわりには
色々なタイプの人たちがいました。
彼女の対極は総料理長。
エリゼ宮の厨房、全員男性スタッフ。
彼はそのトップでした。
「 オレは大統領にゴマをすって、飛ばされたヤツを何人も見てきた。
残っているのはオレだけだ。」
でも、女性シェフは、
彼の料理は、可もなく不可もなく、
凡庸だとバッサリ切り捨てます。
‥…。
そして、もう一人。
女性シェフのアシスタント、
若いパティシエです。
「 彼らを誤解しないであげて。
ワルいヒトたちではないんだ。
彼らは、彼らの仕事を
しているだけなんだ。」
バランス感覚がある人。相手の立場
妙にわかってしまい板挟みに。
‥…。
経費節減コストカットマン
カロリー計算魔のドクター。
彼女の料理はカロリー計算
できませんでした。
なぜならコクは自然のものを
使って作るから。安易に、
生クリームやバターなど、油脂を
用いているわけではないからです。
しかし高くつく。素材にこだわる
彼女の「 カベ 」のヒトたち。
‥…。
さまざまなタイプのヒトがいる、男性社会の中で、
彼女はスペシャルな存在でした。
タフで天才的に料理が達者。自らのオーベルジュ。食材の環境に恵まれ
何より大統領のご贔屓。
ちょっと特別すぎました。
そうそう、特別な人と言えば、
昨今人気の、この人。
個人的には、関西編の方が時代劇チック
ドタバタで、オモシロかったです。
ラストも左遷という、
ビミョウな味付けでした。
ピンチのとき、
のるかそるかの時、
こういうヒトは大活躍。
ですが、組織の和を乱すワンマンプレーは、
ひとたび、企業が安定し、チームワークが必要な時には、
やっかいな存在なのかもしれませんね。
‥…。
そう思うと、あの総料理長。
そのナンにでも染まる個性のなさが、
長い間、そこに存在できた理由なのかもしれません。
彼女は、コストカットの波にのまれ、
自分のやり方を変えることが、
できなかった。
宮殿を去ることになります。
その場で踏みとどまる、
組織の中で生きていくというのは、
ひとすじ縄では行かないことなのかも
しれませんね。
映画はその後の彼女の人生を描きます。
南極は傷心の彼女に、世間からの隔絶、孤独と時間
を与えました。
そして、お金も。
彼女は、今度は新天地。ニュージーランドを目指します。
自分に素直に、生きるために。
映画は、料理を通して、
現在のフランスを象徴しています。
古き良きものを、健康や合理化という
言葉で、切り捨てようとする
大きな流れへの警告。
そして、何でもシステマチック。かつての職人気質。
主張を持って生きるということが、難しくなってきているという現実。
‥…。
まずは、美味しいものを、
食べようか。
まずは、そこからですね。
なかなか、味わい深いお話。
大統領以外は、みなさんご存命なだけに、
全体的に、大人しいフンイキになっていますが、
さりげなく問題提起するあたり、ヨーロッパ映画という
感じがしました。
本日は、いかがなさいますか、
大統領。
「 今日はカツオで、
お出しをとってみては、いかがかな。」
‥…。
「 Auld Lang Syne 」
最後、南極を去る
女性シェフ、この歌で見送られました。
旅立ちの歌、なノダ