こんにちは、noruです。
「 いい天気やね。」
「 空もだんだん高くなってきたし、
秋晴れやな。」
‥…。
お父さんが出発です。
「 さてと、秋は、アキでも、
こちらはアキナイ、
ガンバって行ってきますよ。」
‥…。
ダジャレ、
‥…いってらっしゃい、zzz。
‥…。
そうそう、秋ですね。
‥…。
んっダレ。
‥…、あき、
‥…アキといえば、アキ・カウリスマキ。
‥…。
エッ。
‥…。
マタ、‥…。
「ル・アーブルの靴磨き」
(原題 Le Havre ) 2011
社会派巨匠、
アキ・カウリスマキ。
初めて、作品を観ました。
ナンにも知らなかったので、
先入観もなしです。
‥…。
ドキドキ、シマスネ。
ストーリーは、いたってシンプルでした。
そして、ミラクルハッピーエンド、
ワルい人ゼロなんです。
社会派なのに、
‥…、アヤシいですね。
‥…。
よく、巨匠とか言われてしまうと、
作品に深みを求められたり、
以前の作品と比べられて
勝手に、アラさがしされたり‥…。
‥…。
タイヘンデスネ。
そして、ほのぼのストーリー。
万人受けはしますが、
社会派の監督ともなれば、
何かと、ツッコまれて、コレマタ‥…。
‥…。
ダイジョウブデスカ。
でもね。
これが、ちゃんと社会派もしてて、
スゴく良かったのです。
‥…。
舞台はフランスの港町、
ル・アーヴル
靴磨きのマルセル。
かつて、パリで作家を夢見た
ボヘミアンです。
今は、愛する妻と犬のライカ、
つつましやかに、暮らしています。
ご近所さんたちは、
ひとクセあるけど、気心が知れた、
気のいいヒトたちです。
みんな、同じような暮らしぶり、
昔の日本の下町みたいです。
そんなある日、
奥さんが、不治の病で入院してしまいます。
同じ頃、マルセルは、
偶然、ひとりの不法移民の少年と出会います。
少年は、逃走中でした。
出稼ぎの母がいるロンドンへ、
密航する途中、アクシデントがおこり、
隠れていたコンテナが、
ロンドンではなく、ル・アーブルに
たどり着いてしまったのです。
移民団は、
フランス当局に見つかり、
少年は、
隙をついて逃げだしたのでした。
マルセルは、少年をカクマイます。
そして、母のトコロへ逃がそうと
画策します。
隣人たちも、彼らに協力
するのでした。
この辺りは、フランスに暮らす人にしかわからない、
ジレンマなのでしょう。
途中、ドタバタ、イロイロあり、
最後にミラクルが起こり、ハッピーエンドです。
‥…。
じつは、映画の序盤。
観るのが、少し、ツラかったです。
描かれている人々の現実、食事や着るもの、
その暮らしぶりが、
とても質素で、キビシいもの
だからです。
そして、初老のマルセル。
雨の日や風の日、ココロない人々。
街角で、靴磨きをするというのは、
ツラい仕事です。
おまけに、奥さんは、不治の病になるし。
とどめは、フランスの現実。
難民です。
もしかして、この作品は、
ケナゲな人がでてくる、ご苦労モノ
なのでしょうか。
これは、困りました。
よく考えたら、
社会派はニガテなんでした。
‥…。
イマサラ、ナニを。
でもね、そう思いながら、観ていたら
不思議なことに、
いつのまにか、
ツラくなくなっていったのです。
‥…。
ナンデ。
美しいのです。
脳がヨロコんでいるのです。
まず、映像。
車やレコードといった細かいものから、
風景や色、ノスタルジックな音楽。
そして、なぜか、
人です。
ザンネンながら、
少年以外は、お年寄りしかでてきません。
男前とか、べっぴんさんは、‥…、ナシです。
でも、人々の言葉使いや姿勢、
その立ち振る舞いが、
とてもキレイで上品なのです。
信じられないことに、
コンテナに乗っていた難民のヒトたちも
キレイな民族衣装に身を包み、
静かに、座っていたりするのです。
‥…。
現実と、非現実。
現実世界で、偏見という色メガネが
あるとしたら、
この映画は、
もうーうひとつの色メガネ、理想です。
彼のワールド、
監督のマジックなのでしょうか。
ココロに、残ったセリフです。
病院で奥さんが、お医者さんに、
「 治るのですか。」とたずねます。
お医者さんは、奇跡かおきれば治りますよ、
と答えます。
奥さんは、言います。
「 近所では、
起きていないわ。」
映画のラスト、奇跡が起きたことが
物語のオチではないのです。
ましてや、隣人愛や性善説を説いている
わけでもない。
結論とか教訓ではなく、
今、現実の社会の中にある、二つの真実。
現実社会の、深いゼツボウと、
無限の希望。
二つのモノが、一つの世界に描かれている
のだと思いました。
イロイロ、奇跡起こしたりとか、
演出もリアルじゃないとか、
オイカリの人もいるかもしれません。
でも、リアルなだけが、真実なのでしょうか。
ナニを持って、真実を描くかは、
勝手ですからね。
さすが、巨匠。
よっ、フィンランド、イチ !!
‥…、もうちょっと、
この話、いっとこかな〜。
‥…。
ドウゾ、アキるまでご自由に。
なんてったって、
アキ、ですからね〜 ♪
フフフ、
ボクもダジャレ、なノダ。
「ル・アーブルの靴磨き」
(原題 Le Havre ) 2011