こんにちは、noruです。
‥…。
ドウモ。
‥…。
ダレ。
60年代アメリカは、混沌の時代です。
華やかなアメリカンドリーム、
そして、見知らぬものへの恐怖、暴力。
あらゆる雑多なものが、一気に
オモテにでた時代。
ダレかが、言いました。
アメリカは、様々な価値観が、決して
混じり合おうとはしない
「サラダボール」
映画「カポーティ Capote 」2005
カポーティ役の、
フィリップ・シーモア・ホフマン。
伝記物にありがちな、
「 ほどほど、いいヒト 」設定です。
ものまねしてます。‥…違和感ありませんね。
ちょっと、
ポッシュですけど ♪
日本未公開。
もう一つのカポーティもの。
「 infamous 」2006
こちらは、イギリスの有名な俳優さんだそうですが、
ハマり過ぎです。
‥…。
ドコのおばちゃんですか。
‥…。
脱線、もとい。
この話を、取材しよう、
それは、ひとつの選択でした。
そんなに大したことではないと、
いつもの調子のカポーティ。
「 世の中には、二つの世界が存在している。
一つは、善良な人々が暮らす、
静かで保守的な世界。
そしてもう一つは、
犯人たちが住む、無防備で、暴力的な世界。
ある晩、その二つの世界が、交差しただけ。」なんだと。
世の中のヒトはみんな、
そう信じたかったでしょうし、カポーティ自らも、
オチは決まっていました。
でも、カポーティは、犯人のペリーに、
接すれば、接するほど、
合わないと思っていた歯車が、どんどん、
かみ合ってきます。
合うはずがない、コチラの世界にいるはず、の
自分とは。
感受性が、鋭いと同化しやすいのかもしれません。
ペニーは、限りなく自分に近い、ナニかを
持っている。
カポーティ自身、
無意識に求めていたのかもしれません。
本当のココロのスガタ。
幼い少年時代、
親に何度も見捨てられ、
ヒトとチガウ、
世間に受け入れられない孤独。
ペリーも幼い頃より、偏見にさらされ、
底辺にたどり着きました。
彼はもまた、鋭い感性の持ち主でした。
なかなか、犯行の理由を話さないペリー。
それは、自らの存在価値を
脅かす話だからです。
「 恥 」
被害者は、ごく普通の「善良なアメリカ市民」
この人たちはいいヒトだ。
ペリーは、知っているのです。
その彼らの目に映る自分の姿。
それは、理性のかけらもない、モンスター。
それが、現実でした。
その現実に耐えることが出来ず「善良なアメリカ」を
抹殺したのです。
自らの尊厳を保つために。
この犯行のリユウは、当時の人々が、望むものでは、
決してありませんでした。
「冷血」
それは、根深い、
ココロの闇なのです。
幼なじみで、自らも、著名な作家。
5年間、事件をともに見てきた
ネルのセリフです。
刑の執行を願っていたにもかかわらず、
つらい、立直れない、と
泣いて、電話するカポーティ。
まるで、子供のように場当たり的な、
感情に、
「 あなたは、生きているのよ。
彼らは、死んだけど。」
彼らを助けたいわけでは、決してなかった。
あなたは、夢の世界ではなく、
現実にいる。
現実を見なさい、
寝ぼけている場合か、と。
宣告です。‥…、アトはない。
彼の選択は、彼の人生を変えました。
本が書けなくなるのです。
自分から飛び込んだ、きらびやかなセレブの世界。
世間のウワサにもまれ、翻弄されても、
軽グチをたたいて、
他人を煙にまくことで、
あめんぼうのように、生きてきた、カポーティ。
でも、犯人に出会い、自分のコアなるものに
気づいてしまったら‥…。
彼は、双子の自分を、
見捨てたのです。
目に映るもの、すべては、
茶番です。
ウソつきな彼は、自分にも
嘘をつきながら生きるハメになったのです。
さて、もう一つの彼のキーワード、
自虐ですが、こちらもどうやら、
筋金入りみたいです。
映画の中で、
カポーティは、遺体を見た話を恋人にします。
恋人が、恐ろしい体験だったね、
と言うと、
「 ‥…、気が休まったんだ。
あまりに恐ろしいモノを見ると、
‥…、いつものボクから、解放されるんだ。」
‥…。
そして晩年、
ついに、やらかしてしまいます。
セレブの暴露本。
トウゼン、干されます。
若いときは、
前だけ向いていれば、良かった。
でも、キャリアをつんでくると、
自分の身の上話を整理したくなりますよね。
楽しい思い出とか、
思い出したくない事件とか、
‥…、ケリつけようとか。
‥…。
オトシマエですね。
たぶん、それで、
やっちゃったんじゃないですか。
浮き世に見放された彼は、
お酒とクスリで、短い人生を閉じます。
ネルの宣告は、予言となってしまったのです。
波瀾万丈な人生というのは、
タナから、ナントカ、
だけでなく、
自らの手で、チョイスしている場合も
あるのですね。
ナニかとお騒がせなヒトでしたが、
文句言えるのも、
生きてていればこそ。
死んでしまっては、モトもコも、ありません。
ナガイキ、しなきゃ。
‥…、ダメですよ。
‥…。
彼の大好きだった、
マリリン・モンローです。